マンモグラフィとは
マンモグラフィ検査とは、乳房専用のレントゲン検査のことです。
厚みのある乳房は、通常のレントゲン検査では異常が発見しにくいため、乳房を圧迫板で挟み、左右の乳房それぞれを上下・左右・斜め方向から撮影します。
圧迫板で挟んで薄く拡げることで、病変が鮮明に写し出せるようになるだけでなく、被ばく線量を少なくすることができるようになります。
また乳がん検診として唯一、乳がんの死亡率を低下させられることが証明されている検査です。
マンモグラフィは痛い?
マンモグラフィ検査では、2枚の圧迫板で乳房を挟んで薄く拡げて撮影しますが、この時、痛みや圧迫感を感じることがあります。
ですが、鮮明な画像を撮影して見逃しのない検査を行うためには、乳房をできるだけ薄くすることが大事です。
マンモグラフィ検査で痛みを感じやすいのは、乳腺が多い方で、乳房の大小はあまり関係がないと言われています。
20~30代の若い世代の方は乳腺の量が多いため、検査時に痛みを感じやすいとされています。
ただ、基本的には我慢できないような痛みではなく、撮影も短ければ数秒程度で終わりますので、過度にご心配になる必要はないと言えます。
検査時の痛みが心配な方は、検査前に詳しく内容をご説明いたしますので、気軽にお申し出ください。
マンモグラフィの有用性
非浸潤性乳管癌のサインである石灰化を見つけることができ、早期乳がんの発見に有効であることが認められています。
高濃度乳腺(デンスプレスト)
デンスブレストとは、乳腺濃度が高い乳房のことです。デンスブレスト自体は病変ではなく問題はないのですが、マンモグラフィ検査では乳腺組織も乳がんも白く写るため早期発見が難しいケースがあります。そのため、超音波検査を併用した乳がん検診をお勧めしています。
高濃度乳腺による見落としの可能性を減らすために
高濃度乳腺の場合、乳房全体が白い塊のように写し出されて、乳がんが見えづらくなることがあります。
そうした場合には、マンモグラフィ検査と乳房超音波検査(エコー検査)を併用します。
乳房超音波検査とは
超音波を使用して、乳腺の状態を観察する検査です。被ばくはなく、痛みや圧迫感もない検査ですので安心して受けていただけます。
エコー検査は高濃度乳腺に適した検査で、マンモグラフィ検査とエコー検査を両方行うことで、より精度の高い乳がん検査が可能になります。
こうしたことから現在、乳がんの正確な診断のためには、マンモグラフィ検査とエコー検査の併用が大事だと考えられています。
エコー検査の有用性
乳腺にできたしこりを見つけることに適した検査です。
被ばくの心配がないので、若年の方や妊娠中にも安心して受けていただくことができます。
マンモグラフィと超音波検査の違い
マンモグラフィ検査と乳房超音波検査(エコー検査)にはそれぞれメリット・デメリットがあり、これらを併用することでより精密な検査が行えるようになります。
マンモグラフィ検査 | 乳房超音波検査(エコー検査) | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
マンモグラフィは受けない方がいい?被ばくの心配は?
マンモグラフィ検査はレントゲン検査なので、被ばくします。
ですが、乳房が受ける放射線量は1~3ミリグレイ程度と言われていて、また被ばくは乳房に限定されるので身体への影響はほとんど心配ありません。
また、検査時には2枚の圧迫板で挟んで薄く拡げるので、被ばく線量はかなり抑えられます。