経血が多い・生理時の出血が多い

このような症状はございませんか?

月経過多生理時の出血は、他人と比べる機会がないため、ご自身の出血量が多いかどうか、なかなか気付けません。
下記のような症状がある場合は、通常よりも出血が多いと考えられるため、婦人科の受診を検討する必要があります。

  • ナプキンを頻繁に取り替えなければいけない
  • 1時間ほど経つとナプキンが血で溢れる
  • 日中でも夜用のナプキンを使用しなければならない
  • レバー状の血の塊が出る
  • 生理時に貧血気味になる
  • 倦怠感やめまい・立ちくらみがある

生理の血が大量に出る「過多月経」とは

過多月経とは、一般に1回の経血量が150ml以上あることを指します。
ただ、実際に150mlを量ることはまずありません。また、「1日〇回ナプキンを交換したら・〇時間でナプキンから血が溢れたら」といった明確な基準もありません。
血液検査で鉄欠乏性貧血が認められ、それが月経を原因として起こっている場合に、過多月経と診断します。経血がレバー状の血のかたまりとして出てくることもあり、そういったケースでは特に注意が必要です。

経血が多い(過多月経)原因は主に3種類

過多月経の原因は、大きく3つに分けられます。

婦人科器質性疾患

子宮筋腫・子宮腺筋症、・子宮内膜ポリープなどの良性疾患、子宮体がん・子宮頸がんといった悪性疾患などの病気を原因として、過多月経が起こることがあります。

婦人科機能性疾患

黄体ホルモン分泌異常、無排卵性周期症などによって破綻出血を起こし、その結果として過多月経に至るケースが見られます。10~20代の若い方、40代後半以降の方に起こりやすいタイプの過多月経です。

内科的疾患

血液疾患などの内科的疾患が背景にあり、これが止血・凝固機能の異常を招き、その結果として過多月経に至るケースです。

過多月経の原因となる病気

子宮筋腫

子宮の筋肉に生じる良性の腫瘍のことを「子宮筋腫」といいます。代表的な症状に月経量の増加が挙げられ、これが過多月経に該当することがあります。その他の症状としては、生理痛、腰痛、不正出血、貧血、めまい、頻尿などがあります。

子宮腺筋症

子宮腺筋症も、代表的な症状に月経過多、月経困難症が挙げられます。また、これらの症状が次第に悪化するという特徴があります。

子宮内膜ポリープ

子宮の内側に生じるポリープです。ポリープからの出血をきたし、過多月経、不正出血、また付随して貧血を起こすことがあります。
多発するポリープ、大きくなるポリープには、悪性のものもあります。

子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)

子宮頸がん、子宮体がんといった子宮がんも、初期には無症状であることが多いものの、進行すると不正出血、下腹部の痛み、過多月経を引き起こすことがあります。

過多月経の検査・診断

血液検査血液検査で鉄欠乏性貧血が認められ、この貧血が月経を原因として起こっていることが分かった場合に、過多月経と診断します。

過多月経の治療方法

ミレーナ(IUS・子宮内黄体ホルモン放出システム)

ミレーナミレーナから黄体ホルモンが放出されることで、子宮内膜の増殖が抑えられ、経血量の減少、月経痛の緩和が期待できます。
高い確率で妊娠を防ぐことのできる避妊法でもあります。
これらの効果は、最長5年持続します。

ホルモン療法

女性ホルモンのバランスを、投薬によって調整します。
黄体ホルモンと卵胞ホルモンが含まれたピル、黄体ホルモン製剤、GnRHアンタゴニスト製剤、タナゾール製剤などを使用します。
患者様のお身体の状態、体質に応じて、適切なものを選択します。

手術療法

過多月経などの症状が重度である場合、子宮筋腫や子宮腺筋症、内膜ポリープなどの疾患を原因とする場合には、手術を検討します。
病変部だけを切除する手術と、臓器ごと摘出する手術があります。将来的な妊娠の希望の有無、疾患の程度のなどを考慮し、医師と十分に話し合った上で選択します。