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タイミング法

不妊治療は「タイミング法」
からスタートするのが基本

不妊治療において通常、まず試みられるのが「タイミング法」です。問診や検査によってもっとも妊娠しやすい時期を予想し、その周辺のタイミングで性交を行うことで、妊娠を目指します。
性交によって妊娠を目指す方法であるため、肉体的・精神的なご負担が最小限に抑えられます。自然な排卵があり、精液検査の結果に問題がない場合には、タイミング法からのスタートがおすすめです。
また、内服・注射で排卵誘発剤を使用して卵胞発育を促し、妊娠率を向上させるということも可能です。
※問診・検査結果・年齢によっては、人工授精からスタートすることもあります。

不妊治療は「タイミング法」からスタートするのが基本

タイミング法の対象となる方

タイミング法の対象となる方当院では、問診や検査などの結果に応じた、最適な治療方針をご提案しております。
タイミング法の対象となるのは、主に以下に該当する方となります。

自然妊娠が可能な方

自然妊娠が可能な状態であることが大前提となります。

卵管に異常がない方

女性の卵管の異常がない・重篤な排卵障害がないことが2つめの条件となります。
卵管に異常がある場合、当院で卵管鏡下卵管形成術が可能です。また重篤な排卵障害がある場合には、体外受精などの高度生殖医療をおすすめすることがあります。

精液検査の異常がない方

男性が受ける精液検査の異常がないことも大切です。
異常が軽度であれば、治療薬・サプリメントを使用した上で、タイミング法を試みることもあります。ただし重度の男性不妊症の場合には、高度生殖医療が必要になることもあります。

年代別のタイミング法の成功率

20代の妊娠率:
約20%~30%
(1周期あたり)

20代は妊娠の確率が最も高く、排卵の予測が比較的正確であり、卵子の質も良好です。タイミング法を試みるカップルの多くが成功しやすい年代です。

30代前半の妊娠率:
約15%~20%
(1周期あたり)

30代前半でも比較的高い妊娠率を維持していますが、20代と比べると若干低下します。それでも、卵子の質がまだ良好であり、タイミング法が有効な年代です。

 

30代後半の妊娠率:
約10%~15%
(1周期あたり)

30代後半になると、卵子の質が徐々に低下し始め、排卵の予測も難しくなるため、妊娠率が下がります。しかし、適切なタイミングを見つけることで、まだ妊娠の可能性は十分にあります。

40代の妊娠率:
約5%~10%
(1周期あたり)

40代では、卵子の質の低下が顕著になり、自然妊娠の確率が大きく減少します。タイミング法だけでは妊娠が難しい場合が多く、他の不妊治療を併用することが検討されることが一般的です。

タイミング法の
メリット・デメリット

メリット

手軽に取り組める

特別な医療機器、手術などは不要です。肉体的・精神的ご負担が少なく、手軽に試すことができます。

コストが抑えられる

医療機器、専門的な治療、手術などが不要であるため、患者様の経済的なご負担も少なくなります。

自然妊娠に近い

タイミング法では、排卵日を予測すれば、あとは性交をするだけです。自然妊娠を試みる方法ですので、肉体的・精神的なご負担が抑えられます。

柔軟な導入ができる

患者様のライフスタイル、身体の状態に合わせて導入することができます。

副作用がほとんどない

他の不妊治療と比べると、副作用がきわめて少ない治療と言えます。

デメリット

妊娠率は高くない

タイミング法における1周期あたりの妊娠率は、約10~20%となっています。

人によっては精神的な
ストレスとなる

患者様によっては、「この日に排卵しなくてはならない」「妊娠に失敗したらどうしよう」とストレスを感じてしまうことがあります。女性も男性も、リラックスして準備をする、性交をすることが大切です。

タイミング法が適さない
場合も

排卵障害、精子の異常といったような原因が重なっている場合、タイミング法が適さない・タイミング法だけでは解決できないということがあります。

効果的な期間が限られる

加齢とともに、卵子の質、予測のしやすさが低下します。

タイミング法のやり方

1排卵日の予測

排卵日を予測するため、主に以下のような準備・検査を行います。

排卵検査薬の使用

排卵検査薬を用いて、尿中の黄体形成ホルモンのサージ(急上昇)を検出します。サージを確認した日から24~36時間後に排卵が起こることが予測されます。

頸管粘液の観察

排卵期には、頸管粘液が透明になり、伸びやすくなります。これを確認し、排卵日を予測します。

超音波検査

超音波検査を行い、卵胞の成長を観察します。卵胞の直径が20mmくらいになると、排卵が起こります。

 

2予測排卵日に合わせた性交

予測した排卵日の2~3日前から排卵当日までが、妊娠のしやすい時期です。
特に、排卵日の前日・当日がもっとも妊娠率が高くなります。リラックスして性交に臨んでください。

3妊娠判定

その後、生理予定日を過ぎても生理が来なければ、妊娠検査薬を使用し、妊娠の有無を確認します。
検査薬は、生理予定日の1週間後に使用することで、正確な結果が得られます。

タイミング法の成功率を
上げるには

タイミング法での成功率を上げるためには、以下のようなことが大切になります。

妊娠率の高い日に性交する

当然のことですが、妊娠率の高い日に性交をすることがもっとも大切になります。
予測した排卵日の2~3日前から排卵当日、中でも排卵日の前日・当日の妊娠率が高くなります。できる限りスケジュールを調整し、性交してください。

生活習慣を見直し、
正常な排卵・精子の運動を
促進させる

バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠は、ホルモンバランスを整え、正常な排卵や精子の運動を促進する効果が期待できます。
普段から、お二人で生活習慣の改善に取り組んでおきましょう。

分からないこと・困ったことがあれば医師に確認する

タイミング法を行う中で、分からないこと・困ったことがあれば必ず当院の医師にご確認ください。タイミング法はその簡便さがメリットの1つとして挙げられますが、「なんとなく」でやってもなかなか妊娠には至りません。

タイミング法の費用

タイミング法の費用タイミング法にかかる費用は、通院回数、検査の内容、処方薬などによって異なります。当院では、事前に個別に料金体系をお伝えしております。どうぞご安心ください。
なおタイミング法には、保険が適用されます。年齢制限・回数制限はございません。