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不妊治療の成功率について

不妊治療で妊娠できる確率

不妊治療で妊娠できる確率日本産科婦人科学会の最新調査によると、2022年には全国の617施設で合計499,300周期の体外受精が行われました。胚移植1回あたりの妊娠率は34.2%に達しています。この年の総出生数約900,000人のうち、体外受精で生まれた子どもは60,000人に上り、これは15人に1人が体外受精で生まれている計算です。
5年前の2017年と比較すると、当時は体外受精で生まれた子どもは19人に1人の割合でした。これにより、体外受精による出生率が顕著に増加していることがわかります。この増加は、不妊治療を受けるカップルが増えたこと、そして体外受精技術の進歩により妊娠成功率が向上したことが主要な要因と考えられます。

20代の不妊治療の成功率

20代の女性は、卵巣の機能が最も良好であるため、不妊治療の成功率が高い傾向にあります。多くの場合、卵子の質が高く、受精や胚の発育も良好であるため、妊娠の可能性が最も高い年代です。このため、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などの治療法においても、成功率が比較的高い結果が得られます。

年齢 出産率
25歳 20.9%
26歳 20.8%
27歳 19.3%
28歳 19.8%
29歳 19.9%

出典:厚生労働省 不妊治療における年齢別の出産率と流産率

30代の不妊治療の成功率

30代になると、卵巣の機能や卵子の質が徐々に低下し始めるため、20代に比べて不妊治療の成功率はやや低下します。ただし、30代前半はまだ成功率が高く、多くのカップルが妊娠を達成しています。30代後半になると、卵巣の予備能や卵子の質の低下が顕著になり、治療の難易度が上がることがありますが、それでも10%台の出産率があります。

年齢 出産率
30歳 19.9%
31歳 19.4%
32歳 19.1%
33歳 18.1%
34歳 17.7%
35歳 16.3%
36歳 15.4%
37歳 14.2%
38歳 11.6%
39歳 10.2%

出典:厚生労働省 不妊治療における年齢別の出産率と流産率

40代の不妊治療の成功率

40代になると、卵巣の機能や卵子の質の低下がさらに進行するため、不妊治療の成功率は20代や30代に比べてかなり低下します。特に40代半ば以降では、妊娠の可能性が大幅に減少します。ただし、適切な治療とサポートにより、40代でも妊娠を達成するケースもあります。最新の生殖補助医療(ART)の技術や個別化された治療計画を進めることで、妊娠の可能性を最大限に引き出すことが重要です。

年齢 出産率
40歳 7.7%
41歳 5.3%
42歳 3.7%
43歳 2.0%
44歳 1.3%
45歳 0.6%

出典:厚生労働省 不妊治療における年齢別の出産率と流産率

不妊治療が成功するまでの期間

不妊治療が成功するまでの期間不妊治療が成功するまでに要する期間は、カップルによって異なります。
年齢・健康状態・妊娠歴なども影響しますが、平均すると「数カ月~1年」程度かかります。
ただ「若くて健康だから早く妊娠できる」「高齢で病気があるから時間がかかる」とは言い切れないのが、不妊治療の難しいところです。間違いないのは、妊娠を希望するのであれば、妊活・不妊治療を少しでも早く開始することが、妊娠率のアップにつながる点です。

日本の不妊治療の成功率が
低い理由

日本の不妊治療の成功率が低いと言われている理由には、いくつかの要因があります。以下に主要な理由を挙げて説明します。

結婚・出産年齢の高齢化

日本では、結婚や出産の年齢が年々上昇しており、30代後半や40代で初めて不妊治療を受けるカップルが増えています。年齢が上がるとともに卵子の質が低下し、妊娠の可能性が減少するため、不妊治療の成功率も低くなります。

高ストレス社会

日本は労働環境や社会的なプレッシャーが高く、ストレスを感じる人が多いです。ストレスはホルモンバランスを乱し、不妊の原因となることがあります。また、治療のプレッシャーや心理的な負担も成功率に影響を与えることがあります。

治療の遅れ

多くのカップルは、不妊治療を受ける決断をするまでに時間がかかることが多いです。早期に治療を開始することで成功率が高まるケースも多いため、治療開始の遅れが成功率を低下させる一因となります。

医療技術や設備の格差

不妊治療の技術や設備は医療機関によって異なり、一部の医療機関では最新の技術や設備を十分に活用できていない場合があります。これにより、治療の質や成功率に差が生じることがあります。

生活習慣の影響

食生活の偏り、喫煙、飲酒、運動不足などの生活習慣が不妊の原因となることがあります。これらの要因は、卵子や精子の質に影響を与え、不妊治療の成功率を低下させる可能性があります。

認識不足と情報の欠如

不妊治療に関する情報が十分に普及していないため、多くのカップルが適切なタイミングで適切な治療を受けることができていません。また、治療方法や選択肢についての理解不足も、治療の遅れや不適切な治療の選択につながることがあります。

不妊治療を始める平均年齢と
理想の年齢

日本において不妊治療を始める平均年齢は、30代前半から中盤が多いです。具体的には、30歳から35歳の間で治療を開始するケースが多く見られます。この年齢層は、キャリアの安定や結婚年齢の上昇などの社会的背景により、不妊治療を検討し始める時期として一般的です。

不妊治療はいつ始めるべき?

不妊治療はいつ始めるべき?理想的には、不妊治療を始める年齢は20代後半から30代前半とされています。
20代後半から30代前半は卵子の質が高く、受精や胚の発育も良好であるため、妊娠の可能性が高いです。この時期に治療を開始することで、成功率を高めることができます。
また年齢とともに卵巣の機能は低下しますが、20代後半から30代前半ではまだ卵巣の予備能が高く、多くの卵子を採取することが可能です。これにより、複数回の治療を行う際の成功率も高まります。
妊娠に伴う合併症のリスクも年齢とともに増加します。
妊娠を考えているがなかなか妊娠しないという方は、お早めにご相談ください。