不妊治療で転院をしたい
他の医療機関で治療を受けたものの妊娠に至らない方、引っ越しなどで通院が難しくなった方、またはその他の理由で当院への転院を検討されている方を、当院は心より歓迎いたします。
治療を受ける医療機関を替えたからといって、これまでの治療が無駄になることはありません。当院では、これまでの治療経過について簡単にお話しいただくだけで大丈夫です。紹介状(診療情報提供書)は基本的に不要ですので、ご負担なく新たな一歩を踏み出していただけます。
まずはお気軽にご相談ください。当院のスタッフ一同、あなたの不安に寄り添いながら最善の治療をサポートいたします。
紹介状は不要です
不妊治療での転院を検討される患者さまの中には、「紹介状が必要ではないか」「転院しても大丈夫だろうか」といった不安を抱える方も多いかと思います。
当院では、患者さまがより気軽に治療をスタートしていただけるよう、紹介状は基本的に不要としています。これまでの治療経過については、可能な範囲でお話しいただければ問題ありません。
「少し相談してみたい」「今の治療法が自分に合っているかセカンドオピニオンが欲しい」など、どのような理由でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。当院のスタッフが心を込めてサポートいたします。
不妊治療で転院するきっかけ
実際に転院をするきっかけとなるのは、以下のようなケースです。
治療方針に納得できない
医療機関で提案された治療方針に納得できないケースです。
ただ、医師側にもその提案をした理由があるはずですので、そのわけを尋ねてみても良いでしょう。どうしても納得できない場合には、転院を考えましょう。
また転院の前にセカンドオピニオンを利用するという方法もあります。当院でも、セカンドオピニオン外来を行っております。
医師・スタッフとの相性が良くない
治療は希望通りに進んでいるものの、人柄や接遇、対応面でどうしてもストレスが溜まるというケースです。
そもそもストレスは、不妊治療の大敵と言えます。たびたびストレスを感じるようでしたら、転院を検討すべきかもしれません。
医療サービスにおいても、やはり人と人ですので、相性が合わないというケースはあります。「自分がおかしいのだろうか…」と思いつめないようにしてください。
引っ越した・通うのが
負担になってきた
引っ越して通院の距離が遠くなる・通院の時間が長くなると、人によってはご負担・ストレスとなります。
近年はオンライン診療に対応する医療機関もありますが、それでも検査・治療のためには外来受診が欠かせません。辛さを感じるようでしたら、転院を考えましょう。
もちろん、素晴らしい診療が受けられ、遠くても納得できるのであれば、転院する必要はありません。
不妊治療で転院する目安や
タイミング
転院して不妊治療を行っても、100%妊娠できる・出産できるとは限りません。
しかし以下のようなケースでは、そのまま治療を継続するよりも、転院することで妊娠率が高くなることが期待できます。
胚に問題がないのに
なかなか妊娠に至らない
胚(受精卵)に特に問題がないにもかかわらず、子宮への移植を2回以上繰り返しても妊娠に至らない場合、着床障害を疑い検査をする必要があります。
具体的には、子宮内膜着床能検査・子宮内膜マイクロバイオーム検査・感染性慢性子宮内膜炎検査・子宮鏡検査・子宮内膜蠕動検査などがあります。
そういった検査に対応していない・提案してもらえないという場合には、転院をご検討ください。
着床はしたが流産した
稽留流産をした場合、胎児の染色体異常の有無を検査で調べることが大切になります。染色体異常がなければ、不育検査を行います。
化学流産をした場合には、胚を移植するタイミングが適切であったかどうかの検討をしたり、慢性子宮内膜炎検査を行ったりする必要があります。
卵巣刺激法が低刺激法
でしか行われない
低刺激法とは、自然に近い形で採卵する方法です。基本的に、子宮に移植する胚は1~2個に留まります。
もちろん、低刺激法が悪いというわけではありません。しかし低刺激法を2~3回しても妊娠に至らず、かつ中刺激法や高刺激法に対応していない・提案してもらえないという場合には、転院も視野に入れるべきと言えます。
高刺激法を行っても妊娠に至らない
多くの卵子を回収できる高刺激法を2回行ったにもかかわらず妊娠に至らない場合には、慢性子宮内膜炎や銅亜鉛検査を行い、異常が認められればそれぞれ適切な治療を行う必要があります。
しかし、着床前診断に対応していない病院では、移植する胚の選定は、グレードを基準に判断することになります。
そのため移植を2~3回繰り返しても妊娠に至らず、治療方針の変更もない場合には、転院も視野に入れるべきと言えます。
不妊治療で転院する時の伝え方
不妊治療は長い道のりであり、さまざまな理由から転院を考えることもあります。しかし、現在の担当医師にその意向を伝えることは、非常に難しいと感じられるかもしれません。ここでは、担当医師へ転院の意向を伝える際のポイントと心構えについてご紹介します。
正直な気持ちを伝える
まず、転院を考える理由について正直に伝えることが大切です。治療方針の違いや距離の問題、新しい医療機関での特定の治療法に興味があるなど、率直に話すことで、医師も理解しやすくなります。医師も患者さまの最善案を考えていますので、正直な気持ちを共有することは重要です。
感謝の意を表す
現在の治療に対して感謝の意を示すことは、医師との良好な関係を維持するために重要です。今までの治療に対する感謝の気持ちを伝えつつ、転院の理由を説明することで、円満に進めることができます。
簡潔に理由を説明する
転院の理由を簡潔に伝えることも大切です。詳細に説明しすぎると、お互いに負担がかかる場合があります。例えば、「自宅から近いクリニックでの治療を希望している」「新しい治療法を試してみたい」といった簡潔な理由で十分です。
診療情報の共有を
お願いする
転院後のスムーズな治療継続のために、診療情報の共有をお願いすることも忘れないようにしましょう。新しい医療機関で適切な治療を受けるためには、これまでの診療記録や検査結果が必要です。担当医師にその旨を伝え、診療情報の提供をお願いしてください。
次のステップを明確にする
最後に、転院後の予定を明確にすることも重要です。新しいクリニックの情報や初診の予約日などを共有することで、担当医師も安心して転院をサポートできます。
転院は、新しい治療の一歩を踏み出すための重要な決断です。現在の担当医師に対して感謝の意を持ちつつ、正直で簡潔に理由を伝えることで、円満に進めることができます。不妊治療の道のりは続きますが、適切なサポートを受けながら、前向きに進んでいきましょう。
不妊治療の転院で検査は
やり直し?
転院をお考えの方の中には、「これまでの治療や検査が無駄になってしまうのでは?」という不安を抱える方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。当院では、いちからやり直す必要はありません。
これまでの治療や検査について、可能な範囲でお話しいただければ、それを基に次のステップを一緒に考えていきます。紹介状は基本的に不要ですので、現在通院中のクリニックに依頼する手間もかかりません。
必要な場合には、追加の検査を行うことで、治療プランをより精密に調整することが可能です。これまでの努力を無駄にせず、スムーズに治療を進めていけるよう全力でサポートいたします。
不明な点や心配なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。当院のスタッフが丁寧に対応させていただきます。
不妊治療で転院する時の注意点
治療記録の引き継ぎ
検査結果や治療履歴のデータを引き継ぐことが重要です。これにより、転院先での再検査を省略できる場合があります。治療記録があれば、転院先の医師が過去の治療を理解しやすくなります。
転院先のクリニックに事前確認
転院先のクリニックに事前に連絡し、再検査の必要性や必要な書類について確認しておくと安心です。転院先によっては、特定の検査が必要な場合もあります。
保険診療の確認
保険診療での不妊治療歴を確認するため、転院時には保険証を持参してください。保険適用の範囲や条件についても、転院先のクリニックで確認しておくことが大切です。
凍結胚の移送
凍結胚の移送が必要な場合は、現在通院しているクリニックと転院先のクリニックの双方で手続きを確認しましょう。胚の移送には特定の手続きや条件があるため、早めに準備を進めることが重要です。
転院先の選定
転院先のクリニックの評判や実績、治療方針を事前に調査しておきましょう。自身の治療ニーズに合ったクリニックを選ぶことが、治療の成功につながります。
スケジュールの調整
転院には一定の時間がかかるため、スケジュールをしっかりと調整しておきましょう。現在の治療スケジュールと転院先での治療開始のタイミングを合わせることで、無駄な時間を省くことができます。
転院は新たな治療のスタートです。しっかりと準備を整え、スムーズな移行を心掛けることで、次の治療ステップへと進むことができます。