婦人科手術センター

さまざまな婦人科系疾患に、柔軟な対応を致します。

さまざまな婦人科系疾患に、柔軟な対応を致します。足立病院では、最新の腹腔鏡システムや子宮鏡システムを備えていますので、子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症など、さまざまな良性婦人科疾患手術への対応ができます。 「日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医」の資格と豊富な経験を持った専門の医師が外来や手術を担当しています。また、手術が必要な患者様への術前・術後のフォローもしっかりとさせていただきます。 疾患に悪性の疑いがある場合など、足立病院での対応が困難な場合には、大学病院などの高次医療機関と連携を取りながら検査・治療にあたります。

足立病院の検診センターとも連携していますので、乳がん検診や子宮がん検診についても診療できる体制が整っています。

医師紹介

井上 卓也

副院長 / 検診センター長

井上 卓也 副院長 / 検診センター長

経歴

1996年京都大学大学院修了
1996年より京都大学医学部付属病院助手、2001年7月より滋賀県立成人病センター婦人科部長、2007年4月より国立病院機構京都医療センター産婦人科診療科長、2011年4月より現職

資格

日本産科婦人科学会専門医・指導医、京都大学医学博士、日本産婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡、子宮鏡)、日本生殖医学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本癌治療認定医機がん治療構認定医、婦人科手術、腹腔鏡下手術、婦人科腫瘍が専門分野

小木曽 望

産婦人科医師

小木曽 望産婦人科医師

経歴

2008年関西医科大学卒業 2008年より京都第一赤十字病院初期研修医、2010年より京都第一赤十字病院産婦人科後期研修医 2012年より京都第一赤十字病院産婦人科医院として勤務、2020年4月より京都市立病院産婦人科勤務、2021年4月より現職

資格

日本産科婦人科学会専門医・指導医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、 日本内視鏡外科学会産科婦人科技術認定医、日本周産期・新生児学会母体・胎児専門医、日本女性医学学会専門医、 日本癌治療認定医機構がん治療認定医、母体保護法指定医

当院で行う主な手術

腹腔鏡下手術

お腹に小さな穴を数カ所あけて、小型カメラで見ながら行う手術法です。短期間の入院で済み、傷の痛みも少なく、美容的にも優れています。

対象となる病気

子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症、不妊症などが対象となります。悪性が疑われる場合は足立病院では対象となりません。また足立病院では腹腔鏡の緊急手術は行いませんので、子宮外妊娠は対象外です。

子宮鏡下手術

先端に電気メスのついた子宮鏡(レゼクトスコープ)を用いて、子宮内腔病変を切除します。お腹に傷ができない、体への負担の少ない手術です。

対象となる病気

子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープなど

婦人科手術センター手術実績

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
腹腔鏡下子宮筋腫摘出術 58 56 54 51 46 56 52 50 36 36 33 26
腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術 63 58 62 63 54 63 64 59 44 43 44 52
腹腔鏡下子宮全摘術 21 21 16 24 21 12 15 18 23 28 24 34
腹腔鏡下付属器摘出術 11 12 19 0 16 17 22 15 18 24 25 27
開腹子宮全摘術 5 3 3 6 6 5 8 7 5 9 9 6
子宮鏡下手術 30 28 37 30 29 29 31 36 30 35 31 42

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婦人科の良性疾患について

卵巣腫瘍(卵巣のう腫)

卵巣腫瘍(卵巣のう腫)卵巣にできる腫瘍(できもの)を「卵巣腫瘍」といいます。その中でも、中に液体がたまっているものが「卵巣のう腫」です。のう腫の中身は、水に近いものから脂肪、血液など様々です。通常卵巣腫瘍は自覚症状がありませんが、茎がねじれたり破裂したりすると突然強い痛みを起こします。痛みや違和感などの症状が出たときだけではなく、定期的に婦人科の診察を受けて子宮がん検診を受けるとともに卵巣腫瘍がないかのチェックを受けられることをお勧めします。
卵巣腫瘍は一度できると自然に治癒することはなく、治療および確定診断のためには手術が必要になります。通常、腫瘍の大きさが5~6cm 以上になると手術が勧められます。手術には腹腔鏡下手術と開腹手術がありますが、術前の検査や腫瘍マーカなどで良性と判断された場合には、ほとんどの症例で腹腔鏡下手術が選択できます。治療法に迷われた際はお気軽にご相談ください。セカンドオピニオンについても承っております。

子宮筋腫

子宮筋腫子宮を形成する平滑筋がコブのようになってできた腫瘍を「子宮筋腫」といいます。子宮筋腫は30歳以上の女性の20~30%にみられ、「粘膜下筋腫」「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」に分類されます。
「粘膜下筋腫」や「筋層内筋腫」では、過多月経から貧血や不妊症の原因になることがあり、この場合には治療が必要です。治療には「薬物治療」と「手術」があります。
薬物治療では体を閉経後と同じ状態にする「偽閉経療法」が行われます。薬物治療では筋腫は縮小しますが治癒はしません。主に閉経までの逃げ込み療法や手術前に筋腫を小さくする場合に行われます。
手術には「子宮筋腫摘出術」と「子宮全摘術」があり、それぞれ「腹腔鏡下手術」と「開腹手術」があります。足立病院ではいずれの手術も可能です。「粘膜下筋腫」は過多月経などの症状が特に強く出ますが「子宮鏡下子宮筋腫摘出術」による治療が可能です。内視鏡カメラを挿入し筋腫を摘出しますので体への負担が少なく、お腹を切らないので入院も1~2日で済みます。
「粘膜下筋腫」の症状でお困りの方は是非ご相談ください。

子宮内膜症

子宮内膜症子宮内膜症は、子宮内膜の組織が卵巣や腹膜などで発育・増殖する病気です。原因は不明ですが、女性ホルモンにより発育が促進されると言われています。子宮内膜と同じく月経時に出血するため、炎症や癒着が起こり月経痛などの原因になります。 卵巣に子宮内膜症が起こった場合には古い血液を含むのう腫ができ、これは一般的にチョコレートのう腫と言われています。子宮内膜症は月経困難症や腹痛などの症状を起こすことが多く、また不妊症の原因にもなるため治療の対象となりやすい疾患です。治療には「薬物治療」と「手術治療」があります。薬物治療には種々の選択肢があり、病状や症状に応じて選択しています。副作用が少なく長期間服用できる薬剤も開発されていますのでご相談ください。 チョコレートのう腫は破裂し強い腹痛が起こることがあります。また、チョコレートのう腫から卵巣がんが発生することも稀ではないという理由から5cmを超えるチョコレートのう腫の場合には手術をお勧めしています。手術にはのう腫のみをくり抜く方法と卵巣全体を摘出する方法がありますが、多くの場合腹腔鏡での手術が可能です。