夜尿症とは
夜尿症(おねしょ)とは、排尿が上手くコントロールできず、就寝中におしっこを漏らしてしまう状態を言います。
おねしょは決して珍しい症状ではなく、1ヶ月のうち1回以上おねしょをする小学生は、10~20人に1人いると言われています。
夜尿症の原因
膀胱に一定以上の量の尿が溜まると尿意が起こりますが、通常、就寝中や授業中など、おしっこをしてはいけないタイミングでは意識的に排尿を我慢することができます。
ですが、何らかの原因でこの排尿コントロールが正常に行われないとおねしょをしてしまいます。
おねしょは気持ちの問題でなく、体の問題と言えるため、怒っても意味はなく、むしろおねしょが治るのを遅らせる結果となりますので、焦らずゆっくりと治るのを待つようにしましょう。
夜尿症で考えられる病気
腎疾患
- 慢性腎疾患
- 腎性尿崩症
- 尿路感染症
など
泌尿器疾患
- 先天性腎尿路奇形
- 後部尿道弁
- 尿道狭窄
- Hinmann症候群
- 尿管異所開口
など
その他
- 心因性多尿
- 神経因性膀胱
- てんかん
- ADHD
など
夜尿症の病型
夜尿症(おねしょ)は大きく次のタイプに分類されます。
1多尿型
夜間に作られる尿の量が多いため起こるタイプ
2膀胱型
膀胱に溜めておける尿の量が少ないため起こるタイプ
3混合型
多尿型と膀胱型が混合しているタイプ
4正常型
夜間に作られる尿の量、また膀胱に溜めておける尿の量の両方が正常なタイプ
夜尿症の治療
生活指導
- 昼間、十分な量のお水を飲んでおいて、就寝2時間前以降の水分摂取を控える
- 便秘にならないように注意する
- 塩分摂取量を制限する
- 寝る前のトイレを週間づける
- 睡眠中の冷えを防ぐ
など
行動療法
- おねしょしなかった時、褒めてあげたり、ご褒美をあげたりする
- 水分摂取量の制限
- 膀胱訓練(膀胱に尿を溜めておけるようにするトレーニング)
など
アラーム療法
下着に小さなセンサーを取り付けて、おねしょで下着が濡れた時、それをアラームで知らせておねしょを改善する方法です。
薬物療法
抗利尿ホルモンなどを使用して夜間の尿量を減少させ、おねしょしにくくします。
宿泊行事があるときの対策
宿泊行事まで1ヶ月未満の場合、上記でご紹介した生活指導を行うとともに、学校の先生に「夕食後の水分摂取の制限」「就寝前のトイレ」のほか、他の子と別室での就寝などをお願いします。
宿泊行事まで1ヶ月以上ある場合は、生活指導に加えて、薬物療法を並行させます。
また、宿泊行事まで1ヶ月未満の場合と同様に、学校の先生に各種対応をお願いします。