メリット

男性の場合、精子は思春期以降、精巣で作られ続けます。
一方、女性の卵子は胎児期に作られ、それ以降は増えることはありません。

作られた卵子は成熟途中で止まっており、思春期以降、成熟して排卵します。しかし、卵子は全て使われるのではなくその多くは時間とともに減少していきます。胎児期に作られた卵子は出生時には1/5程度に減り、女性と同じ年月を過ごすことになり、時間とともに質の変化を受け続けることになります。年齢を重ねると卵子の量と質の両方が低下していくことから妊娠が難しくなると考えられています。
「卵子凍結」は卵子の量と質が低下する前に採取し、凍結することで将来の妊娠の可能性を上げることが期待できます。

デメリット

「卵子凍結」は将来の妊娠・出産を必ず約束するものではありません。
不妊治療で行う、パートナーが決まっている場合の「胚凍結」と「卵子凍結」では最終的に出産に至る可能性に大きな違いがあることがわかっています。
「胚凍結」とはパートナーの精子と受精して細胞分裂を繰り返し、子宮に移植できるところまでたどり着いた状態で凍結することです。融解後すぐに子宮へ移植が可能です。
一方「卵子凍結」では卵子を融解し、精子と受精させ、受精が成立し細胞分裂を繰り返して移植可能な状態までたどり着くステップがあります。
卵子を凍結した年齢や精子の状態により差がありますが、融解時生存率は86.0～96.8％、受精率71～79％、着床率17～41％、出産に至る確率は4.5～12％と報告されています。