乳がんは自分には関係ないと思っていませんか?
今、乳がんにかかる人は、30~40代にかけて急増し、女性の壮年層(30~64歳)のがん死亡原因のトップになっています。
乳がんは、早期発見できれば約90%が治癒し、決して怖い病気ではありません。足立病院では、妊娠出産だけにとどまらず、女性の一生を支えるパートナーでありたいと願っています。
家族のために、大切な人のために、そしてなによりご自身のために受診されることをお勧めします。
Tis:乳管内にとどまるがん。非浸潤がん(超早期)
0期:しこりや画像診断での異常な影を認めないもの
1期:2cm以下のしこりで、リンパ節への転移がないと思われるもの
2期:2cmを超える5cm以下のしこりがある、もしくはリンパ節への転移が疑われるもの
3a期:しこりが5cmを超えるもの
3b期:しこりが皮膚などに及んでいるもの
4期:しこりの大きさを問わず、他の臓器に転移がみられるもの
マンモグラフィ検診
早期発見に有効なマンモグラフィ検診
乳がんを見つけるために有効な画像診断の一つがマンモグラフィ検診。
視触診、超音波では分かりにくい小さな乳がんを写し出す「乳房のレントゲン検査」です。マンモグラフィは乳がんをはじめとして、乳房にできる病気を見つけることができます。触っても判らないような早期の小さな乳がんは勿論、しこりを作らない乳がんを白い影(腫瘤影)として、早期乳がんのサインである非常に細かい石灰砂の影(微細石灰化/砂粒のように見えるもの)として見つけることができます。悪性の病気だけでなく、良性のものも見つけることができます。
マンモグラフィ検診の撮影方法
立体的で厚い乳房を正しく撮影するために、技師(女性)が手を添え、乳房を圧迫板で挟みながら静かに圧迫します。上下方向1枚、左右方向1枚、両乳房で合計4枚の撮影を行います。圧迫板には一定以上の圧力はかけられないように設計されていますので、ご安心ください。リラックスして受診することで痛みもなく、よい画像を撮影することができます。ただし痛みが強い方、皮膚や乳房に傷や炎症等があり圧迫ができない場合は撮影を中止することがあります。
手に触れないしこりも見つける超音波検査
人の耳には聞こえない超音波を出す器具を、直接乳房に当てて動かし画像を写します。超音波は数ミリの手に触れないようなしこりを見つけ出すことができます。また、被爆を避けたい若年者や妊娠中の方、圧迫に耐えられない方や授乳中、頻繁に検査が必要な方に適しています。
足立病院では“乳がん検診センター”で、専門の医師・技師・最新の設備で、乳がん検診の普及に努めています。
乳がんセルフチェック
乳がんは身体の表面に近いところにできるため、自分で発見できる数少ないがんの一つです。
乳がんの60%以上はセルフチェック(自己検診)によって発見されています。セルフチェックは、閉経前の人は乳房の張りが少ない月経終了後1週間くらい。閉経後の人は、毎月日にちを決めて行うとよいでしょう。
鏡のまえで乳房の形をチェック
- 乳両腕を下げた姿勢で、乳房や乳頭を観察します。
- 両腕を高く上げた姿勢で、正面・側面・斜めから乳房を観察します。
- 乳頭を軽くつまみ、血のような分泌液がないか確認します。
入浴中にしこりや腫れがないかをチェック
- 手に石けんをつけて滑りやすくしておくと皮膚の凹凸がよくわかるようになります。
- 腕を上げて、乳房の表面に「の」の字を描くようにして、しこりや腫れがないか確認します。
- 指先をそろえてわきの下に入れ、リンパ節が腫れていないか確認します。
あおむけになってしこりがないかをチェック
- あおむけに寝ます。(肩の下に薄いクッションやバスタオルなどを折りたたんで敷くと調べやすくなります)
- 腕を上げて、乳房の内側半分を指の腹で軽く圧迫しながら確認します。
- 腕を下げて、乳房の外側半分を指の腹で軽く圧迫しながら確認します。
- 手をわきの下に入れ、しこりがないか指の腹で確認します。
乳がんができやすいのは「外側の上部」
乳がんは、左右の乳房ともに「外側の上部」に発生しやすいので特に注意して確認しましょう。
少しでも変化や異変に気づいたら、すぐに受診しましょう。
早期に治療を行えば約90%の方が治るといわれていますが、放置するとがん細胞が増殖して乳腺の外へも広がっていきます。
血管やリンパ管へ入ってがん細胞が全身を巡ると、さまざまな組織や臓器へ転移してしまいます。
あれ?と思ったらすぐに受診しましょう!