当病院の中絶手術はMVA法を行います。
足立病院の中絶手術は基本的にはMVA(手動真空吸引法)で行っております。
MVA(手動真空吸引法)柔らかい使い捨ての器具を用いており、吸引管がソフトカニューレであるため子宮内膜に優しい手術です。
また、手術のキットは従来までの吸引法と違って、使い捨て(ディスポーザブル)を使用するので極めて清潔に手術を行うことが可能です。そのため手術中の感染リスクが最小限に抑える事ができ、痛みが少ないのも特徴の1つです。
MVA(手動真空吸引法)は海外では一般的ですが、日本では認可されたのが2015年でまだ10年も経っておりません。MVA法を行っている施設は徐々に増えてきておりますが、まだまだ多くはありません。
しかし、世界的に一番推奨されている中絶手術方法であり、WHO世界保健機構および世界産婦人科連合からも手動真空吸引法(MVA)は強く推奨された手術法です。
MVA(手動真空吸引法)
やわらかい使い捨ての吸引管(ソフトカニューレ)を挿入し、子宮内容物・子宮内膜を取り除きながら吸引します。
手術中・手術後のリスクが大きく下げられた安全性の高い中絶手術です。
手術時間
5分~10分程度で終了します。
入院
不要です。
痛み
基本的には局所麻酔をして行う手術であるため、術中の痛みはありません。
メリット
- 手術時間が短時間の為、身体への負担が少ない
- 医師の技量による差が少ない
- 子宮穿孔リスクが低い
- ディスポーザブルの器具を使用するので感染リスクが少ない
- やわらかい使い捨ての吸引管(ソフトカニューレ)を使用するの子宮内膜に優しい
中絶手術に伴うリスク
手術のリスク
- 出血
- 術後の感染症
- クラミジア感染などがある場合の骨盤腹膜炎
- 繊毛組織の遺残
- 子宮穿孔
- 周辺臓器の損傷
術後に可能性のあるリスク
- 子宮の収縮に伴う痛み
- 数日間の出血
- 一時的なめまい
- 麻酔による一時的な吐き気、嘔吐
- PTSD(心的外傷ストレス)
当院では、上記のようなリスクがあることを事前に十分にご説明いたします。できる限り不安を取り除いた上で、手術へと進みます。
気になる点がございましたら、医師、またはスタッフにお気軽にお尋ねください。
中絶手術の流れ
Step1.お問合せ・ご予約
まずは当院にご連絡いただき、ご予約ください。
費用を含め、気になる点がございましたら、遠慮なくお尋ねください。
Step2.受診
ご来院の際には、お薬手帳、またはお薬そのものをお持ちください。
中絶手術が可能であるかどうかを、診察で確認します。可能である場合には、手術の内容・リスクについてお話しした上で、手術日を決定します。
このとき、同意書をお渡ししますので、手術日当日にご持参ください。
問診
アレルギー、甲状腺機能の異常、高血圧の有無、既往歴、現在服用中の薬などを確認します。
血液検査
肝炎などの感染の可能性がある場合、RHマイナスといった希少な血液型の場合には、さらに精密検査を行います。
常備薬のご確認
お薬手帳またはお薬そのものを確認させていただきます。
Step3.手術
「手術当日の持ち物・注意点」をご確認の上、予定時間にお越しください。準備が整い次第、手術を行います。
なお、妊娠週数、出産経験の有無などによっては、子宮の入口を開くための事前処置が必要になります。この処置を実施した場合、2時間ほどお待ちいただいてからの手術となります。
Step4.手術後
しばらくベッドでお休みいただき、意識・体調が落ち着いてから診察します。
その後、注意点をお伝えし、薬を処方してご帰宅となります。
Step5.再診
手術後、2日目と7日目に再度ご来院いただきます。出血、痛みの有無、子宮の状態を確認します。
今後の避妊について、性交の再開可能時期、不妊への心配など、気になることがあれば何でもお尋ねください。
手術当日の持ち物・注意点
持ち物
- 夜用ナプキンを数枚
- 替えのショーツ
- パートナーと連名の同意書(※未成年の方はパートナー、保護者様の2種類が必要です)
- 手術費用
手術前の注意点
- 手術中、血中の酸素濃度を測定する器具を手指の爪に装着しますので、つけ爪、マニュキュアのない状態でお越しください。
- 午前中に手術を受ける場合、前日の22時以降、手術まで絶食です。少量の水は飲んでくださって構いません。
- 午後に手術を受ける場合は、当日の朝9時以降、手術まで絶食です。少量の水は飲んでくださって構いません。
手術後の注意点
- 手術当日と翌日は、できるだけ安静に過ごしてください。シャワーは当日から可能です。
※詳しくは「中絶手術後の過ごし方や注意点」をご覧ください。
一度中絶すると妊娠しづらくなるって本当?
適切に行われた中絶手術であれば、その手術が原因となって妊娠しづらくなることはありません。
ただ、どのような手術であっても、身体への負担がゼロというわけにはいきません。術後はしっかりとケアを行い、引き続き妊娠を希望しない場合には、正しい方法で避妊をしましょう。避妊方法についてご不安がある場合には、当院の医師にご相談ください。
なお、手術後に妊娠希望する場合にも、3回ほど生理が来てから、妊活を再開するようにしてください。
中絶手術後の過ごし方や注意点
【出血・痛み】無理せず安静に
術後、1~2週間ほどは出血が続きます。次第に治まっていくものですので、ご安心ください。
痛みについては、数日ほどで治まります。こちらは、痛み止めを処方します。
手術当日と翌日は、できる限りの安静を保ってください。また1週間程度は、激しい運動、力仕事、立ちっぱなしの作業などは避けてください。
【食事・飲酒】体調を見て食事を、飲酒は止血してから
手術後、様子を見ながらまずは水を飲んでください。問題ないようでしたら、当日中にお食事を再開していただけます。
なお、アルコールについては出血が止まってからとしてください。その場合も、飲み過ぎはお控えください。
【入浴】シャワーのみ当日からOK
手術当日からシャワーは浴びてくださって構いません。
感染症の予防のため、お湯に浸かる入浴は医師の許可が出てからとします。通常、1週間後から再開が可能です。
【性交渉】2週間以上経過したのち、必ず避妊を
手術後2週間ほどは、排卵と重なり妊娠する可能性が高くなります。妊娠を希望しない場合には、それ以降に、正しい方法で避妊をして性交を行うようにしてください。
コンドーム以外の方法で避妊(低用量ピル、ミレーナ)をお考えの方の相談も承っております。
なお妊娠を希望する場合も、妊活(避妊をしない性交)の再開は生理が3回ほど来てからとしてください。
【仕事】翌日から可能、しかしなるべく安静に
手術当日、翌日は安静が望ましいもの、負担の少ない事務仕事であれば、早くて翌日からの再開が可能です。
ただしくれぐれも、無理のないようにしてください。
【タバコ・喫煙】2~3日は控える
喫煙については、手術後2~3日はお控えください。
【生理】2週間~40日後から再開
生理周期が正常であった方の場合、手術後2週間~40日ほどで生理が再開します。
再開直後の生理は、色、量、期間がこれまでと違ったり、痛みが強く出たりといったことがあります。こういった変化は、何度か生理を迎えることで元に戻ります。
一向に元に戻らない、量が異常といった場合には、お早目に当院にご相談ください。